シジミはどのように成長する?

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最近では肝機能を高める効果が注目を集めているシジミ。その成長過程はご存知でしょうか?ここでは日本のシジミ漁獲量の99パーセント以上を占めるヤマトシジミの成長過程を通じてご紹介していきます。

シジミの成長過程

日本では主にセタシジミ、マシジミ、ヤマトシジミの三種類が生息しています。ここではシジミ漁獲量の99%以上を占めるヤマトシジミの成長過程を通じてシジミの成長について解説していきます。

誕生~幼生まで

ヤマトシジミとは全国的に広く分布する黒っぽい光沢が特徴の貝です。湖の中でも海水と淡水の混じり合う汽水域というエリアに生息しており、淡水域で行われる漁業の中でも最も重要な漁業資源といわれており、ヤマトシジミの出産は毎年、7月~9月にかけて行われ、一個のメスから直径0,1ミリ程度の卵が数十万~百万個の卵が産まれます。
出産された卵は湖の中を漂いながら分割していき、徐々に幼生へと成長していきます。幼生になってからもしばらくは湖の中を漂っており、水流によってかなり遠くまで運ばれることもあるようです。

稚貝

生後一週間前後で足糸腺という部位から足糸が生え、湖の底で生活するようになります。この段階になると、幼生は稚貝と呼ばれる段階に入り、プランクトンなどを餌として成体と同じ生活を送るようになります。この時でも直径は砂粒ほどの大きさしかありませんが、2年~7年程度の時間をかけて徐々に大きくなります。
ヤマトシジミの成長速度は水温が高い時期に集中するといわれており、水温が20~25度前後となる春~秋頃にかけてもっとも良く成長します。逆に水温の上昇する冬場にはほとんど成長することがありません。また、成長速度は地域差による影響も大きく、過去の調査によれば、島根県で2年~3年、北海道では5年~7年程度の時間をかけて成体になることが報告されています。

成貝

ヤマトシジミは殻長15ミリ前後になると成貝となります。成貝となってからは植物プランクトンなどを中心とした水中の有機物を主食とするようになります。この時期になると、ヤマトシジミは身体に卵や精子を持つようになり、貝殻内の身の色がオスは白っぽく、メスは黒っぽくなります。
寿命については明らかになっていませんが、10年以上は成長を続け、貝殻は40~50ミリまで成長するといわれています。

まとめ

ヤマトシジミは汽水域に生息する殻長15ミリ程度の貝です。生まれたときには直径0,1ミリ程度と大変、小粒ですが、2年~7年程度の時間をかけて徐々に大きくなります。食用としてのシジミには肝細胞の修復に必要な必須アミノ酸がバランスよく配合されており、肝機能を高める効果が注目を集めています。現代人に不足しがちな鉄分なども含まれているので、ぜひ、積極的に摂取してみてください。

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