シジミの有毒性

前へ
次へ

近年、サプリメントなどの原料としても人気のシジミ。潮干狩りなどで野生のものを食べる機会がありますが、そこで気になるのが安全性。今回はシジミを安全に食べるために知っておきたいシジミの有害性について解説していきます。

シジミとノロウイルス

シジミを始めとする二枚貝は水中に浮遊しているプランクトンを主食としています。その際、食物と一緒にウイルスなどをこし取り、中腸線という食べ物を消化する器官に蓄えていることがあります。
具体的にはシジミは食事の際にA型肝炎ウイルスやノロウイルスなどを保有していることがあり、加熱せずに生食した場合、それらのウイルスに人間も感染する恐れがあります。基本的に感染しているものはほとんどが野生の、食用に管理されていないシジミです。しかし、市販されているものもごく一部ではありますが、陽性の反応が報告されることがあります。そのため、シジミを食べる際は必ず、85度~90度の温度で90秒以上加熱するようにしましょう。

シジミとプランクトン

先述の通り、シジミはプランクトンを主食としていますが、中には毒素を持った種類のプランクトンもおり、そのような種類を食べたシジミも体内に毒素を溜め込んでいることがあります。加熱調理によっても分解されないため、食用には使えません。毒性プランクトンは常に発生しているわけではなく、例年、3月~6月ごろにかけての水温が上昇した一部の水域で発生します。水産庁などにより厳しく検査が実施されているため、貝毒を持ったシジミがスーパーなどに並ぶことはほとんどありませんが、潮干狩りなどの際には注意してください。
シジミの持っている毒は主に麻痺性の貝毒であり、具体的な毒成分はサキシトキシン及び、その類縁体です。主な症状としては食後30分以内に口腔内に痺れが表れ、それが徐々に顔面や手足にまで広がります。重症になると呼吸麻痺に陥り、そのまま死亡する場合もあるため、貝毒が報告されている水域のシジミは絶対に食べないようにしてください。また、毒素の含有量は個体ごとに異なるため、一個のシジミを摂取しただけでも症状が出る可能性がある点に注意してください。

まとめ

シジミはノロウイルスなどのウイルスを保有していることがあるため、必ず、加熱してから食べるようにしましょう。春先から夏ごろにかけては一部の水域で貝毒が発生することもありますが、それらの地域では潮干狩りなどは控えるようにしてください。貝毒が報告されている地域はお住いの自治体のHPなどで確認することができるのでチェックしてみてください。

ページのトップへ戻る